文=編集部

原料として使う、生のぶどう山椒
グラスに顔を近づけると、柑橘を思わせる爽やかな香りが立ち上がる。
口に含めば、ぶどう山椒の鮮烈な香りが弾け、心地よい余韻となって長く続く。
宮城県産のボタニカルを使ったクラフトジン「欅」を手がけるMCG(Miyagi Craft Gin)から、新商品「鳴(めい)~ぶどう山椒~」が発売された。
大崎市三本木の鳴瀬川沿いへ蒸留所を移転してから、初めて送り出す新商品である。
蒸留を待つぶどう山椒。
「山椒を使ったジンを造りたい」。
MCG代表の杉原健太郎さんが構想を抱いたのは、約2年前のことだった。
杉原さんが探したのは、乾燥させたものではなく、生のぶどう山椒。
大粒の実がブドウの房のように連なり、鮮やかな香りを放つことから「緑のダイヤ」とも称される、山椒の一種である。
発祥の地とされる和歌山県有田川町でも、生のぶどう山椒は希少な存在。
その多くは、あらかじめ食用以外の原料として販売先が決まっており、入手は簡単ではなかった。
それでも杉原さんは、現地へ何度も連絡。
その熱意が、「ぶどう山椒のおいしさを、もっと多くの人に知ってほしい」と考えていた『篠畑農園』との出会いにつながる。
こうして、念願だった生のぶどう山椒を手に入れることができた。
「鳴」に使われているのは、ぶどう山椒をはじめ、セリ、柚子の果皮、茶葉、ブドウ果皮などの日本の素材。
それぞれの原材料から香りを引き出しながら別々に蒸留し、最後にブレンドして味わいを整える。
取材時、蒸留器の中に入れられていた生のぶどう山椒。
アルコールとともに熱を加えることで、その華やかでみずみずしい香りが蒸留液へと移っていく。
完成した「鳴」は、柑橘を思わせるフレッシュな香りと、ぶどう山椒ならではの弾けるような風味が印象的。
口に含んだ後も、爽快な香りが余韻として長く残る。
おすすめは、「鳴」1に対してソーダ5の割合。
シンプルなソーダ割りが、山椒の香りと輪郭を引き立てる。
MCGの代表商品「欅」は、柚子果皮、セリ、茶葉、ぶどう果皮など、宮城県内で生産されたボタニカルを使用したクラフトジン。
トニックウォーターの甘みを加えず、ソーダで割る「ジンソーダ」の楽しみ方が定着しつつあるなか、「欅」は刺身やだしを使った料理など、淡く繊細な味わいにも寄り添ってきた。
一方、ぶどう山椒の力強い香りを生かした「鳴」は、日本の素材にこだわったクラフトジン。
焼き鳥や鰻のほか、中華料理といった、しっかりとした味付けの料理と好相性。
「欅」と「鳴」を料理によって選び分ければ、日本料理とクラフトジンの新たなペアリングも広がるだろう。
商品名は、蒸留所のすぐそばを流れる鳴瀬川に由来する。
地域を象徴する川の名を冠し、新たな蒸留所から世に送り出された「鳴」。
クラフトジンを食中酒として楽しむ、宮城発の新しい選択肢となりそうだ。
商品名/クラフトジン 鳴(めい)~ぶどう山椒~
品目/スピリッツ
アルコール度数/46%
容量・値段/700ml(4895円)、1800ml(5995円)
製造元/株式会社MCG
住所/宮城県大崎市三本木桑折字八幡東3-1
※蒸留所での販売、見学は行っていません。
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