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NEW EVENT 2026.09.15

食べることから東北の“循環”を体感する 「TOHOKU REGENERATIVE FOOD FESTIVAL」開催

文=編集部

 

森から土へ、土から川へ、川から海へ。
自然と人、人と人とのつながりを、食を通して見つめ直す「TOHOKU REGENERATIVE FOOD FESTIVAL」が、2026103日(土)・4日(日)、仙台市西公園で初開催される。
会場に設けられる4つのエリアのうち、レストランビレッジを監修するのが、仙台市の日本料理店『こうめ』の佐々木宗治さん、紗矢香さんだ。二人はどのような思いで料理人を選び、フェスの食をつくろうとしているのか。
話を聞いた。

おいしいだけでは選ばなかった料理人たち

レストランビレッジには、東北6県から12人の料理人が集う。フレンチ、イタリアン、日本料理、広東料理に加え、狩猟や採集、発酵、醸造など、それぞれ異なる技術と背景を持つ面々だ。各地の旬を持ち寄り、6皿のコースを仕立てる。

ふたりが声をかけるうえで大切にしたのは、店の知名度や料理の評価だけではない。生産者のもとへ自ら足を運び、その土地でいま何が起きているかを知ろうとしていること。そして、料理を通して環境や地域の未来まで考えていることだった。

「今回は、美味しい料理をつくれるうえに、生産する人、採る人をきちんと評価して、その地域の暮らしが循環していくことまでより深く考えている料理人さんに声をかけました」と宗治さん。

華やかな一皿になる前には、食材を育て、採り、運ぶ人がいる。生産現場では、海水温の上昇による魚種や漁期の変化、農作物の生育への影響など、すでに切実な変化が起きている。料理人がその現実に向き合わなければ、地域の食文化を未来へつなぐことはできない。そんな危機感が、選考の根底にあった。

『こうめ』(青葉区立町)の佐々木宗治さん、紗耶香さん。

流通で身近になった食材を、もう一度考える

「欲しい食材を魚屋や青果店に頼めば、産地を問わず手に入る。便利な流通は食の選択肢を広げた一方、料理人と生産現場の距離を遠ざけてもいるのではないか」と、紗矢香さん。

たとえば、春になれば店頭に並ぶタケノコ。しかし、日本のどこかで旬を迎えたからといって、宮城でも同じとは限らない。土地によって芽吹く時期は異なり、年ごとに育ちも変わる。ふたりは自らの足で畑や浜へ通い、生産者の声を聞くようになって、“いま、この土地で採れるもの”を実感し、考えるようになったという。

「地産地消はもちろん大切です。でも、地元の食材を使うだけで終わらず、その先を考えたい。どんな環境で育ち、どんな人がつくり、食べた後に何が残るのか。そこまで含めて食を捉えるのが、リジェネラティブなのだと思います」

環境を損なわないよう維持するだけでなく、使った以上の豊かさを土地へ還し、よりよい状態へ再生していく。聞き慣れない「リジェネラティブ」という言葉を、ふたりは日々の料理と生産者との関係に置き換えて考えている。

会場全体のイメージ

県境ではなく流域から東北を見つめる

フェスのもう一つのキーワードが「流域」である。山に降った雨は森を抜け、土を潤し、川となって海へ注ぐ。その途中で多くの命を育み、土地ごとの食文化を生んできた。川は県境で途切れない。ふたりは、宮城、山形、岩手、秋田といった行政区分ではなく、水の流れから東北を見つめ直すことに、このフェスのおもしろさを感じている。

「県という区切りができるよりもずっと前から、川は流れています。ある人に『仙台にいながら東北全体を捉えてみてください』と言われ考えてみたとき、僕らがこれまでやってきたことともつながると感じました」と宗治さん

仙台は、東北各地から人や食材が集まる場所でもある。フェス当日、各地から集ったものは料理となり、来場者が食べ、またそれぞれの暮らす土地へ帰っていく。人の動きもまた、大きな循環の一部なのだ。

食べた先の、小さな気づきを持ち帰る

会場の中心にそびえる、山をイメージした360°のドーム型レストラン。

レストランビレッジの楽しみは、名のある料理人の味を一度に体験できること。さらに、会場の中央には、客席が360度取り囲むオープンキッチンが設けられ、料理が生まれる手元や、料理人同士が交わす言葉まで間近に感じられる。

器にも工夫を凝らす。使い捨て容器を“環境に配慮した素材”へ置き換えるだけでなく、間伐材の枠に葉を敷く、竹を器にするといった、地域にあるものを生かす方法も検討しているという。食べ終えた後は土へ還すことができる。考えを巡らせていくと、かつて人々が当たり前としていた知恵へたどり着く。

「難しい言葉を理解してもらうことがゴールではありません。森、土、川、海はつながっていること。食べることも、その巡りの中にあること。会場で体験して、なんとなくでも感じてもらえたら。それが、何かを考えるきっかけになると思うんです」(宗治さん)。

料理を味わい、つくる人の姿を見て、循環する器に触れる。おいしさの背景へ少しだけ思いを巡らせる。食は誰にとっても身近で、入り口が広い。だからこそ、一皿から見える風景は、森へ、川へ、海へ、そして東北の未来へとつながっていく。

開催概要
TOHOKU REGENERATIVE FOOD FESTIVAL 2026

日時■2026年103日(土)・4日(日) 10:00〜16:00
会場■仙台市 西公園 中央広場
入場料■無料※レストランビレッジなど一部有料・予約制
公式サイト■https://trff.jp/
チケット■https://peatix.com/event/5162147

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