Kappo特別編集
『岩手 旅情編』
この秋、『Kappo岩手版 旅情編』を発行いたします。
本号は、岩手県が展開する観光キャンペーン「秋は短し 旅せよ岩手 WANDER IWATE」と歩調を合わせ、自然や景観、歴史的建造物、そして文化に光をあてた特別編集号です。
誌面では、達増拓也岩手県知事へのインタビューをはじめ、「ヘラルボニー」「ナガサワコーヒー」といった岩手発の新しい文化の潮流を紹介。さらには、世界遺産・平泉や宮沢賢治ゆかりの花巻といった定番の名所から、遠野の妖怪譚をめぐる「あやかしさんぽ」、三陸ジオパークや潮風トレイルに広がる雄大な自然までを取り上げています。
岩手は、移ろう四季とともに姿を変えながらも、普遍的な歴史や物語を抱いてきた土地です。本号では、その「今」と「永遠」を一冊に凝縮しました。現代の息吹と、悠久に続く祈りや記憶。その両方を旅の視点から読み解きます。
旅の予習として手にとっていただくのはもちろん、実際の旅の道連れとしてもお楽しみいただける内容です。ページをめくるたびに、岩手の奥行きある魅力が立ち上がり、まだ見ぬ風景へと読者を誘います。
『岩手版 旅情編』は、いま岩手をより深く知り、楽しむための確かな道標となるでしょう。
風土が感性を育て、日々の営みが表現になる街、盛岡。伝統工芸の技を継ぐ人、世界とつながる珈琲の人、異彩を解き放つアートを実装する人。それぞれの「つくる」は、この土地に根を張りながら、静かに、しかし確かな熱を帯びて広がっている。手仕事と思想、食とまなざし、そして場をひらくという創造。この街で交わる7人の姿から、盛岡という磁場の奥行きを探る。
岩手の風土が生んだ童話作家としての、宮沢賢治。彼の生きた花巻には美しい自然があった。そこには賢治と戯れたあらゆるものの精霊たちが、今も生きているような気がするのだ。
2013年に「日本ジオパーク」に認定された『三陸ジオパーク』。日本でも屈指の海岸美を誇る持つ三陸沿岸は「三陸復興国立公園」にも指定されている。その三陸海岸を含む北上山地の東部が『三陸ジオパーク』であり、「ジオ」をひもとけば5億年の時を刻み続けてきた大地の、壮大な歴史物語が現れてくるのである。
岩手旅情編 目次
INTERVIEW
011 岩手県知事 達増拓也さん
017 盛岡に根ざす
018 「ヘラルボニー」がもたらしたもの 松田文登さん
024 釜定 宮 伸穂さん
026 NagasawaCOFFEE 長澤一浩さん
028 オールド珈琲の店 機屋 関 基尋さん
030 盛岡神子田朝市 吉田晃さん
032 Ristorante SHIKAZAWA 鹿澤靖幸さん
034 entwine主催 平山貴士さん
総力特集
036 岩手の世界遺産
038 平泉(平泉町) 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群
048 橋野鉄鉱山(釜石市)明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
052 御所野遺跡(一戸町) 北海道・北東北の縄文遺跡群
056 花巻 賢治の生きた空と大地
062 INTERVIEW 宮沢賢治記念館学芸員 牛崎俊哉さん
063 イーハトーブフェスティバル
064 旧橋本家別邸 茶寮かだん
066 星耕茶寮
070 遠野あやかしさんぽ
怪談作家・黒木あるじ×荒蝦夷・土方正志
077 5億年の歴史のダイナミズムを秘めた
三陸ジオパーク
078 北上山地の驚きの成り立ち
080 魅力あふれるジオサイトの数々
086 北上山地の豊富な地下資源
088 繰り返される地震と津波の教訓
089 津波と共に生きる町・田老 防災ガイド・ジオガイド 佐々木純子さんに聞く
091 みちのく潮風トレイルを歩く
092 手つかずの自然とジオサイトを巡る 宮古・浄土ヶ浜の旅
094 山あり谷あり手掘りトンネルあり 海のアルプス黒崎・北山崎を行くハードトレイル
096 芽吹きの緑とともに 林野火災からの復旧、大船渡市・綾里街道を歩く
100 岩手のまつり