Kappo 仙台闊歩

FOOD 2020.06.19

【編集部が挑戦】⑥Kappo最新号「プロに聞く 料理の基本」。日本料理店「e.」が教える、人気の鯛めしを作ってみた

TEXT&PHOTO=編集部(川P)

POINT

普段なかなか厨房に入らず、食べること専門の私ですが、前回のイタリア料理に続き、今回は日本料理に挑戦します。日本料理店「e.」が教えてくれた鯛めしは、初夏を感じさせる一品でした。

まずは鯛の調達から

「季節を感じたい」と思って挑戦することにした「鯛めし」ですが、実は食材探しに苦労しました。まず近所のスーパーに行きましたが、鯛は置いていません。切り身もありませんでした。そこで塩竈の仲卸市場へ。生マグロの専門店が多く「美味しそう」とマグロを横目に見ながら近海魚類の専門店を探します。やはり旬の食材を買うなら市場がいちばんですね。

塩釜の仲卸市場で近海魚類の専門店を探します

近海の鯛一尾を購入。おやっさんに内臓とウロコをとってもらう

万願寺とうがらしがない!

鯛を調達した後は、万願寺とうがらし探しへ。ただし、こちらも見つかりません。電話で問い合わせましたが、万願寺とうがらしに馴染みがないようでなかなか伝わりません。実際にスーパーに行ってみると同じようなものが売られています。ただし表記は「土佐甘とう」。ネットで検索すると、京野菜の万願寺とうがらしを先祖に持つ“甘とう美人”という野菜であることが判明。ピーマンのような肌つやとシシトウの食感を併せ持つ甘長とうがらしを購入します。

煮ても焼いても炒めてもおいしい京野菜・万願寺とうがらし(今回は土佐甘とうを使用しています)

小ぶりな鯛を選んだはずだが、バットに乗せてみると意外にでかい

お米の準備

米は宮城県産のひとめぼれ。20分ほど浸水させるとあるので、早めに準備をします。水を切って水10に対し醤油1、酒1を合わせて、火にかけます。

お米は2合。土鍋の底には、IHヒーター用の発熱プレートを仕込む

そろそろ鯛を焼きましょう

鯛はすでに下処理が施されているので軽く塩を振って一尾丸ごと魚焼きグリルに入れます。「生・姿焼き」を選んで11分の表示。焼きあがるのを待つのみです。その間、万願寺とうがらしを炒りつけます。水気がなくなり、味がしみ込むころ、かつおぶしをまぶします(レシピ的には粉鰹とありますが、今回は普通のかつおぶしにしました)

万願寺とうがらし(土佐甘とう)を切って、酒と醤油で炒りつけます。

魚焼きグリルで一尾丸ごと焼き上げました

冷めた頃を見計らってほぐします

骨やアラを使ってダシをとり、潮汁もつくります。食材を無駄にしないのが主夫の知恵です(笑)

完成! 鯛 万願寺唐辛子 茗荷のおかかご飯

米と一緒に具を炊き込んでいくのではなく、炊きあがった米に具をさっくり混ぜていくのが日本料理店「e.」の千葉さんの手法。茗荷→鯛→万願寺とうがらしの順にのせていきます。

炊きあがったご飯にまずは茗荷をのせます

さらにほぐした鯛の身をたっぷりのせます

最後に万願寺とうがらしを入れて、すこし蒸らすと出来上がりです

今回は食材探しに苦労しましたが、シンプルな食材&レシピだったので、自分的には満足のいく料理ができました(自己採点90点)。夏の香味満載の土鍋ごはん、おすすめです。

次回は中国料理に挑戦します。

料理中のBGMは、高木正勝さんの『Private/Public』でした。
http://www.takagimasakatsu.com/privatepublic/cd.html

■ Kappo 2020年7月号 vol.106 ■

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