Kappo 仙台闊歩

LIFE STYLE 2020.06.16

【暮らし提案】生活に寄り添う陶芸家のうつわたち - 三輪田窯

PHOTO_菊池淳智
TEXT_菅原ケンイチ

POINT

毎日使うものだからこそ、こだわりたいうつわ。家にいる時間が長い今だからこそ、自分だけのお気に入りを見つけて暮らしを彩るエッセンスにしてみてはいかがでしょうか。

空や海、宇宙にも例えられる亀山さんのブルー

※2019年11月発行Kappo102号に掲載した内容です。

北上川にもほど近い、石巻市の旧河北町三輪田地区に工房はある。
神奈川県出身の窯主・亀山英児さんが作陶に石巻を選んだのは、奥さんの出身地だったため。
「ここでは空、海、川の青が身近に感じられるのがいいですね。工房から見渡せる風景や自然から刺激を受けますし、日々の創作の原点になっています」。

旧二俣小学校三輪田分教場だった建物が工房。右半分は自宅として利用している。

窯主の亀山英児さん。身近なものが形になり、焼くことで表情が変わるのが焼き物の魅力と話す。

三輪田窯では土も釉薬も地元で採れた天然素材を使っている。多くの作品は、堤焼の系譜を継いだ食器がメイン。
深みのある美しいブルーの器は、亀山さんの作品の代名詞だ。

このブルーの釉薬は、裏山の石がベースで、これに長石や石炭などを調合している。
最初試しに焼いてみたところ、別の色になると思っていたのに青に発色したので驚いたという。

深く美しいブルー。釉薬の溶け方、濃淡、流れ具合が器の背景となる。

焼き物の器は使われて生きるものだ。生活の中に溶け込み、使い込んでゆくうちに色も風合いも変わってゆく。

「自分ができるのは、窯から出したところまでです。それをお客さんが使い込んで、やっと完成形になります」。それは何十年という時間の話だ。
「自分が窯を開いてからまだ15年しかたっていませんから、お客さんに使い込んでもらっている途中ですね」と亀山さんが笑った。

三輪田窯

住所
石巻市三輪田字引浪前1-1
電話
0225-62-2382
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