Kappo 仙台闊歩

FOOD 2019.10.31

美味なる隠れ家 vol.2

PHOTO_池上勇人
TEXT_梅津文代(編集部)

POINT

Kappo11月号の巻頭特集から注目のお店をピックアップ。ここでしか読めない取材の裏話を交えてお届け!

その店のことは「宮城の蔵元たちが足を運ぶ店」として知っていた。地元の食材を仕立ての美しい料理にして供するのだ、と。取材に伺ってみて驚いたのは、周囲に広がる田畑の広さだった。そして、その中にぽつんと白い建物が佇んでいる。向かう途中、カメラマン氏と「あれですかね?」「あれですよね」と思わず確認し合うほど、唐突な立地。後から知ったことだが、あたり一帯はすべて、店主・佐久間さんのご実家が営む農園だった。

左手の建物が『のうらく伸』。ぐるりと見回した範囲はほぼ佐久間家の農園だという。

蔵王といえば野菜にフルーツ、乳製品、そして蔵王牛。なるほど、ここには多種多様な食材が揃っている。意外だったのはニジマスだ。実は地元産のものがあり、この日はそれをクリームコロッケにして、今が旬のはらこをのせた。宮城名物はらこめしのバリエーションとも言える一品で、蔵王産チーズとの組み合わせは予想外のおいしさだった。

揚げ物にクリームコロッケをチョイスする遊び心。柚子の香りが爽やかさを添える。

「これもよかったら、食べてみてください」と出してくれたのは鮮やかな橙色の果実。柿かしら、と思ったそれはネクタリンで、酸味よりも甘味が強く、味わいが濃い。樹上で完熟する様子を見ながら摘み取る時期を決め、もいできたばかりだという。採れたて食材の良さは多くの人が知るところだろうが、この店ではそれをスタート地点に料理をつくる。「農を楽しむ」、だから『のうらく伸』。
今号のイメージムービーでも登場しているので、雰囲気は多少感じていただけると思うが、繊細な盛り付けの数々はぜひ本誌でご覧いただきたい。

水菓子のネクタリンと和梨も自家栽培。アラカルトもあるが、コース(3000円~)がおすすめ。

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