PHOTO_呉島大介(セリ収穫体験)、鈴木信敏(ノブフォト)(セリ鍋)
TEXT_土門和(編集部)
ハンディカメラを片手に、人懐っこい笑顔で話すダヴィデ・ビッティさん。仙台在住歴はのべ5年間、東北大学で日本思想史を研究していた彼は、日本語、イタリア語、英語を難なく操る。今では、動画サイトYouTubeでチャンネル登録者数約5万人を誇る人気YouTuberだ。
これから旬を迎えるセリ。宮城県は全国1位の生産量を誇り、とりわけ名取市の上余田、下余田地域では良質な地下水が流れていることから生産が盛んだ。
農作業をするのに絶好の日和の中、ダヴィデさんが訪ねたのはセリ農家で下余田芹出荷組合・組合長を務める大友智義さんのセリ田。約930坪を所有する大友さんの田で、この日はセリの収穫体験をさせてもらった。
セリの収穫の後、洗浄、梱包と出荷までの一連の作業を体験し、最後に採れたてのセリを味見。「フレッシュで根が甘くておいしい! 寒さが最も厳しくなる2月頃になると甘みが増すというから、その時期のセリも楽しみですね」
場所を移して、仙台名物・セリ鍋のパイオニアでもある仙台市内の居酒屋『佗び助』へ。「うちのセリ鍋の特徴は、なんといっても真っ白なセリ根の美しさ。名取市のセリ集荷場から朝採れを直接買い付けて、毎日根っこの部分を丹念に洗っているんですよ」と女将の山田美緒子さん。カツオと昆布のだしで鴨肉とセリをさっと煮たセリ鍋。「シンプルだからこそセリ根の甘みが際立っていますね。鍋にはやっぱり日本酒かな」。セリ鍋に宮城の地酒、最高のマリアージュを堪能してご満悦のダヴィデさんだった。
セリ収穫体験や『佗び助』でのセリ鍋実食の様子は動画&本誌をチェックしてくださいね。
1985年、イタリアはローマ生まれ。ローマ大学で日本語・日本学を学び、2008年に初来日。2010年、大学の交換留学生として1年間東北大学へ通い、震災を経験。帰国後、2015年に再び東北大学へ。文学研究科日本思想史学科で地震なまずの研究を行う。2019年4月、仙台で就職。社会人として働く傍ら、YouTubeで仙台を中心とした日本文化を紹介している。 YouTubeチャンネル/Vivi Giappone