Kappo 仙台闊歩

FOOD 2023.04.21

【仙台国際ホテル】 宴会場再開記念  サイ・イエングアンリサイタル&自家製キャビア  至福の晩餐会レポート

取材・文=ナルトプロダクツ 
写真=池上勇人

美食のホテル、その本領発揮の場が復活。

リサイタルまでのウェイティングにはシャンパンやカクテル、アミューズをサーブ。

絢爛たる歌劇、その世界観を表現する圧倒的なアリア。サイ・イエングアンさんの歌声と『仙台国際ホテル』が総力を挙げて完成させる最高の料理とサービスとが競演する「至福の晩餐会」が、2023年319日に開催された。実に6年振りとなるこの会は、『仙台国際ホテル』が昨年6月から休止していた宴会の復活を高らかに宣言するものだ。

「早春賦」、続く「花」の懐かしい調べをサイさんは会場のひとりひとりに語り掛けるように歌う。そしてヴェルディの歌劇「運命の力」より「神よ、平和を与えたまえ」、プッチーニの歌劇「トゥーランドット」より「この宮殿の中で」など全11曲を歌いきり、サイさんは春の希望を我々に与えてくれた。

エレクトーン奏者・神田 将さんとのコラボによるサイ・イエングアンさんのリサイタル。

野口育男総支配人の挨拶で晩餐会が開幕。

今回の晩餐会、そのハイライトは自家製のキャビアだ。系列である日光金谷ホテルが作った自家製キャビアに触発された野口育男支配人が、「仙台ならもっといいものが作れるはず」と菅井敏彦総料理長を中心としたプロジェクトを始動。一般的には7%から10%とされる塩を極限の3%までに控えて、魚卵そのものの旨みがしっかり楽しめるフレッシュキャビアを産みだしたのだ。

人肌の酢飯、七ヶ浜の海苔で軍艦巻きにしたキャビアは、意外なほどに「すし」として成立。一貫いくらになるかと考えると怖ろしくもあるが、和食との親和性の高さは今までにない新たな可能性の扉を開く。蕪のブランマンジェやソース、帆立やイカと出会うと、キャビアは一気に王道のフレンチに。

羽田 満料理長の繊細が光る中国料理仕立ての前菜では、湯葉やサボイキャベツ、白身魚の風味を一段と押し上げる好アクセントとなっていた。「ホテルだからこそ可能なこと」と、「ホテルでは不可能に近いこと」を、『仙台国際ホテル』の宴会は実現する。その実力を体感できる日が、ようやく戻ってきた。

軍艦巻きにしたキャビア

仙台国際ホテルの真髄たるコンソメはフルートグラスで

いちどに大量の素材と時間をかけて仕込まねば実現できない、まさにホテルならではの料理の代表であるコンソメスープと上湯スープや、2つの異なる仕立てをひと皿に盛り込んだ「フカヒレの姿煮」、骨付きの仙台黒毛和牛を繊細な火入れで焼き上げたローストビーフとドフィノワなど10品のコース。フレーズジュビレの炎の演出も鮮やかだった。

フロアには、実際にシェフたちによる調理の光景が見られるシェフズテーブルを設置。

仙台国際ホテル

住所
宮城県仙台市青葉区中央4-6-1
電話
022-268-1111
WEB
https://www.tobu-skh.co.jp/
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