CULTURE
2020.07.24
【web連載】仙台買物日記 第四回「柚木沙弥郎の型染うちわ」
生活になくてはならない必需品ではないけれど、
持っているとちょぴり暮らしが豊かになる。
そんな大人の趣味・趣向を広げてくれる
愛すべきモノを紹介するのがこの連載。
探す楽しみ、手に入れる喜び、そして生活に何を
もたらすか、ひとつひとつのアイテムに眠るモノ語りを
丁寧に紡ぎます。どうぞお付き合いください。
夏の夕涼みのおともに、風情ある型染めうちわを
夏といえば、外の暑さを口実に一日中涼しい部屋で本でも読みながら、ダラダラ過ごすのが何よりの贅沢。
でもクーラーでキンキンに冷えた部屋で寛ぐなんて風情がない。
やっぱり日本の夏はそよ風に限る。畳の部屋で麦茶でも飲みながら団扇をあおぐのがちょうどいい。
そんな夏を風流に過ごしたいと思い、数年前からちょこちょこと買い足しているのが柚木沙弥郎先生の型染うちわ。
山に雲、なす、青海波、金魚など、とても夏らしく愛らしい図案が型染めされたこのうちわは、どれもモダンで畳に置いてある姿がとても絵になるのがお気に入り。
うちわの三大産地のひとつである香川県丸亀で作成されており、竹の丸みを活かした持ち手や半円の美しい格子模様の窓など、作りがしっかりしてるのもポイント。
扇いだときにしなやかにしなり、優しい風を届けてくれる。だが最近は職人の減少で生産数が年々少なくなっているとか。
日本の夏を感じさせてくれる絵になるうちわ、民芸店などで見つけたらぜひ今のうちに手に入れておきたい。
柚木沙弥郎 型染うちわ 露芝 2580円+税
写真・文_鮫島雄一(編集部)