写真=池上勇人 TEXT=編集部
「アグリツーリズモ」は、イタリア語の「アグリクルトゥーラ(農業)」と「ツーリズモ(観光)」を合わせた造語で、その土地の自然、農業、文化交流を楽しむ旅のスタイルという意味。キノコのような見た目の「POKO POKO」が日常と非日常をつなぐアクティビティの申し込みや体験場所となる。
「旅を楽しくする」をテーマに、旅の目的や過ごし方に合わせた滞在を提案している「星野リゾート」。
独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、想像を超える体験があふれるリゾートホテル「リゾナーレ」、旅のテンションを高める「街ナカ」ホテル「OMO(おも)」、ルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」など、5ブランドを中心に、73施設(国内68、海外5)を運営している。
食やアクティビティ等、多様なスタイルでその土地、その季節の楽しみ方を届ける星野リゾートを、Kappoが体験しながら連載形式でその本質を探り、紹介していく。
『リゾナーレ那須』は、食材が畑から食卓に上るまでを体感しながら高原のリゾートステイが楽しめる「アグリツーリズモリゾート」だ。
メインダイニング「OTTO SETTE NASU」では、アグリツーリズモの中心地であるイタリア・トスカーナの郷土料理に着想を得ながら、那須や栃木の旬を盛り込んだ料理が楽しめる。
スペシャリテは「農園のピンツィモーニオ」。
畑から収穫するように野菜を手に取るスティックサラダだ。
料理長の北浦琢視さんは、毎日アグリガーデンに足を運ぶ。
「ネットでポチッと注文すればなんでも届くのを当たり前に感じる時代です。畑に通い、農作業の大変さ、収穫までの工程を知ったことで、農家さんやアグリガーデンチームへのリスペクトが生まれ、野菜に対する気持ちが変わりました。畑から食卓へ。まさにこの一皿で表現していると思います」
「農園のピンツィモーニオ」。その時期に畑にある野菜を、花束のようにあしらった。切りたてをサーブするプロシュート、栃木県県で有名なヤシオマスや那須の名産・チーズなど、サイドに添えられた食材も抜かりない。
秋のディナーより「茸のズッパ」。スフォルマートの上に、トリュフ風味のカプチーノ、ソテーしたキノコをのせた。目の前でスライスされるトリュフの香りと、まざまなキノコの歯ざわりが楽しめる。
秋のメインドルチェ「葡萄と焼き栗のセミフレッド」。ラム酒をきかせた栗のビスコットに、焼き栗のセミフレッド、巨峰とシャインマスカットが美しい一品。中心の根セロリの苦み・青さがよいアクセントに。
「OTTO SETTE NASU」の料理長・北浦琢視さん。「自分が使いたいタイミングで目の前の野菜を収穫できるのは、とても贅沢だと感じます」
大谷石を使った重厚な外観とは対照的に、開放的な「OTTO SETTE NASU」の店内。
「YATAI to FARM」の食卓。5種のソースとともに楽しむグリル野菜をメインに、豚肉のスパイスグリルや焼き立てのアップルパイなど、コース仕立てで提供される。
9月1日からスタートする「YATAI to FARM」は、「アグリガーデン」での収穫体験とブランチを組み合わせたプラン。
那須岳を望む特等席で、自ら収穫した野菜をシェフがその場で調理してくれる。
炭火で火を通すので野菜の持ち味や旨みが引き出され、素材の味を最大限に楽しめる。
自分で収穫した野菜は、味わいもひとしおだ。
少しずつ黄金色に染まる稲穂を前にする食卓は、まさに農園そのものがレストラン。
「食卓を農園に運ぶ」という逆転の発想は、食の背景を真摯に考える『リゾナーレ那須』ならではの提案だ。
さらに忘れてはならないのは、この田んぼで育てた米。
開業当初からの試行錯誤を経て収量を確保し、今年からホテル内で提供が始まった。
収穫し、味わい、地元食材を再構築したコースを楽しむ。
『リゾナーレ那須』で、はリゾート楽しみながら“食の気づき”を得られることだろう。
敷地内の田んぼで育まれた米は、ビュッフェレストラン「SHAKI SHAKI」での朝・夕食と、「OTTO SETTE NASU」では冬メニューのリゾットに使用している。田植えや稲刈りなどの体験が可能なアクティビティも用意。
「アグリガーデン」では、収穫体験のほかハーブティーのブレンドやハーブの寄せ植えなど、農に関するアクティビティを実施。
客室「本館デラックスメゾネット」。田んぼを望むテラスと天井まで続く大きな窓で、自然の中に身を置く開放感がある。
-リゾナーレとは-
星野リゾートが国内外に展開するリゾートホテルブランド。
コンセプトは、夢中になって楽しみ尽くす「PLAY HARD」。
土地の特性を活かした空間デザインや豊富なアクティビティ、地域や季節ならではの体験を提供している。
住所■栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
電話■050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
IN/15:00 OUT/12:00
料金■1泊2万4000 円~(2名1室利用時1名あたり、朝食付)
「OTTO SETTE NASU」 大人(12歳以上)1万5730 円、7~11歳 9100円、4~6歳 6500円※誌面のメニューは9月16日から提供予定
「YATAI to FARM」 大人(12 歳以上)3200円、7~11 歳 2700円、4~6 歳 2400円※プランに含まれている朝食に追加料金。9月1日~11月7日まで開催予定
アクセス■電車/JR東北新幹線那須塩原駅より無料送迎バスで40分
車/東北自動車道那須ICより車で20分
HP■https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonarenasu/