一日のはじまりに食べる朝ごはん。
慌ただしい日の朝も、ゆったりとした休日の朝も、
お気に入りの調味料や道具、ちょっとした楽しみがあると、
気分よく一日をスタートできる気がしませんか。
朝ごはんを愛するスタッフが、
そんな、朝ごはんを彩るあれこれをご紹介します。
皆さんは、朝はごはん派? それともパンでしょうか?
私はというと、仕事がある日は、よしっ!と気合いのごはん食。
気持ちの緩まる休日は、のんびりパンを焼いてリラックス…というのが、なんとなくのリズムです。
今回は、そんなくつろぎの朝を幸せにしてくれる、とびきりのジャムをご紹介。
もちろん、休日のみならず、気分を上げたいお仕事の日もどうぞ。
ご紹介するのは、仙台でジャムの製造・販売を行っている、ジャム作家salz(ザルツ)さん。私がsalz・村上博信さんのジャムに出会ったのは、遡ること2009年。素材の独創的な組み合わせと味わいに、ジャムの価値観ががらりと変化。ジャム作家salzとして本格的に活動をスタートして以降も、今度はどんなジャム?と、毎回わくわくしてきました。イベント出店や委託販売などを経て、工房兼ショップをオープン。その後も、仙台市内から全国まで取り扱いのオファーは広がり、各地でファンを増やしています。
無添加、手作りのsalzさんのジャムは、一般的なジャムに比べて、さらりとジューシー。「フレッシュさや、その果物らしさを味わえるものを」と村上さんが話すように、果実の香りや果肉感が感じられます。一方で、チョコやナッツを組み合わせたものはしっかり濃厚で、みずみずしさだけではないフルーツの魅力を実感。果物同士のみならず、ナッツやスパイス、リキュールを効かせた独創的なフレーバーも展開し、洗練された意思のある味わいが、いつもの食卓に変化を与えてくれます。
なんの変哲もない普段着が、そのアクセサリーを身につけるだけで、ぐんと垢抜けて華やかな気分になれる…。私が思うsalzさんのジャムは、そんなイメージです。
季節によってラインナップは替わり、6~8月にかけては「さくらんぼと白ワイン」「ラズベリールバーブ」に続き、プラムや桃を使ったジャムが登場。さらに、さくらんぼ一つでも、紅秀峰、さとうにしき、ナポレオン…と、旬に応じて異なる品種を使うため、同じ「さくらんぼと白ワイン」でも時期によって違った味に出会える楽しみが。
使用している果物は、山形県最上町のラズベリーや、福島県西郷村のルバーブなど、東北の生産者から直接仕入れているものが中心です。中には「紅秀峰」のように、摘果で捨てられてしまう実を活用できないか、という農家さんの想いから作られたジャムも。こうした農家さんとのつながりや生産の手間ひまに対する敬意も、「その果物らしさを感じるジャム」の背景に感じ取れました。
salzさんがおすすめするのが、料理への活用。サラダのドレッシングと一緒に和えたり、ソーセージに添えたり、お肉を焼いたときのソースに混ぜたり。定番レシピに加えるだけで、華やかで香り豊かな一皿に。ジャムは朝食だけにあらず!
「このジャムはどんな料理に合いますか?」そんなことも、工房で尋ねてみてくださいね。
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文・写真_佐藤直美(編集部)