PHOTO_齋藤太一
TEXT_後藤琴乃(編集部)
仙台在住歴はのべ5年間、東北大学で日本思想史を研究していたダヴィデ・ビッティさんは、日本語、イタリア語、英語を難なく操る。今では、動画サイトYouTubeでチャンネル登録者数約5万人を誇る人気YouTuberだ。
新型コロナウイルスが猛威をふるう中で、イタリア・ローマ出身のダヴィデさんはどんな日々を過ごしていたのだろうか。
仙台を中心に日本文化を紹介している彼の動画の中でも、食文化や飲食店関連の動画の人気が高いそう。「コロナ対策をきちんと守りながら、店員さんとお客さんの理解を得て、最近少しずつ飲食店への取材や撮影もはじめています」とダヴィデさん。「故郷であるイタリアでは依然として戦々恐々とした状況ですが、家にいる時間が増えた分、YouTubeと触れる機会も増えていると思うので、魅力的あるコンテンツを発信していきたいです」と意気込む。
イタリアの首相は6月、新型コロナウイルス流行を受けたロックダウン(都市封鎖)を最終段階まで緩和すると発表。国内の州をまたいだ移動が解禁されるなか、国境の開放はまだ必要最小限に抑えられている。「日本とイタリアの新型コロナウイルス感染症対策の違いはあるのか」と聞かれることが多いというダヴィデさん。「皆さんがご存じの通り、イタリアはロックダウンという対策をとったのが一番大きいところです。日本は“要請”というワードがよく使われていました。個人に判断を委ねているんだなと印象を受けました。普段マスクをする文化がないイタリア人も今はみんなマスクを着用しています。スーパーマーケットへ入店する際の検温はもちろん、入店人数制限も設けられているそうです。そういえば、厚生労働省より配布された布製マスクは、僕の家にも届きました。鼻が高い顔立ちの人に向いていませんね。隙間ができてしまうよ」と笑う。
今回のステイホーム中で気づいたことはあるかと尋ねると、「僕が日本に興味を持ったきっかけは、日本のアニメ―ションやゲームに出合ったことでした。今回のステイホーム期間中に改めて日本のゲームの面白さを再確認しました」と笑顔のダヴィデさん。「改めて感じる日本文化の良さや、今まで気づくことができなかった魅力を探しに早く外に出かけたい気持ちでいっぱいです。たくさんの人と直接会って、楽しく取材ができる日を心待ちにしています」と瞳を輝かせていた。
1985年、イタリアはローマ生まれ。ローマ大学で日本語・日本学を学び、2008年に初来日。2010年、大学の交換留学生として1年間東北大学へ通い、震災を経験。帰国後、2015年に再び東北大学へ。文学研究科日本思想史学科で地震なまずの研究を行う。2019年4月、仙台で就職。社会人として働く傍ら、YouTubeで仙台を中心とした日本文化を紹介している。 YouTubeチャンネル/Vivi Giappone
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