写真=池上勇人 TEXT=編集部
「星野リゾート」のブランドの中でも、料理や遊びのバラエティ、地域の人々との出会いなど、地域の特色を色濃く反映した、特に個性的な宿泊施設が国内外に点在。『青森屋』もその一つ。
「旅を楽しくする」をテーマに、旅の目的や過ごし方に合わせた滞在を提案している「星野リゾート」。
独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」、想像を超える体験があふれるリゾートホテル「リゾナーレ」、旅のテンションを高める「街ナカ」ホテル「OMO(おも)」、ルーズに過ごすホテル「BEB(ベブ)」など、5ブランドを中心に、71施設(国内66、海外5)を運営している。
食やアクティビティ等、多様なスタイルでその土地、その季節の楽しみ方を届ける星野リゾートを、Kappoが体験しながら連載形式でその本質を探り、紹介していく。
青森と聞いて、真っ先に浮かぶものはなんだろうか。
リンゴ、ホタテ、マグロといった食材はもちろん、祭りや桜、ヒバなど枚挙にいとまがない。
『青森屋 by 星野リゾート』では、宿にいながらして青森の食や文化を遊び心あふれる演出で満喫できる。
津軽弁でめいっぱいを意味する“のれそれ”を冠したビュッフェレストラン「のれそれ食堂」にも「青森屋」らしい遊び心が表れていた。
ふるさとの民家をイメージした店内では、割烹着姿のスタッフが炉端でサバやホタテを焼いている。
ビュッフェボードには、いかめんち、せんべい汁といった郷土の味が。
「三方を海に囲まれ、山からのきれいな水で育まれる青森の食材は、旨みが凝縮されているように思います。
地域によって異なる青森の食文化や郷土料理を、親しみやすい味付けで皆さまに楽しんでもらえるように料理を考えています」と話す料理長の小向 崇さん。
熱を入れると甘みが増すリンゴ、ホクホクになる姫ニンニクは天ぷらに。
マグロはニンニク醤油に漬け込んで「鮪の漬けまんま」に。
青森では身近な食材でも、さらなる楽しみ方を提案している。
「鮪の漬けまんま」「せんべい汁」「炉端焼き」など、料理は約70種類。天ぷらや炉端焼きは、できたてが食べられる。
八戸市出身の料理長・小向 崇さん。
青森を代表する食材の一つ、ニンニク。
この夏の注目は、昨年好評だったイベントをパワーアップした「にんにくビアガーデン931」だ。
今年の企画を担当した一関早希さんは「今年はより気軽に楽しめるよう、スナックを含む7種類のおつまみを用意しました。
ニンニクのフォルムの可愛らしさも含めて楽しんでもらいたいです」と話す。
敷地内の広場にニンニク型のテントやテーブルを設置。
つまみはカラフルなキッチンカー「にんにくこんびりショップ」で販売し、「ニンニクの風味に負けない味わいを」と地元の醸造所「OIRASE Brewery」と共に共同開発した「たげめびあー」とともに楽しむ趣向だ。
ニンニクをモチーフにしたアナログゲームに興じながら、ゆるゆると夏のひとときを過ごしたい。
風味の違いを楽しむスナックやアイスといった7種類のつまみを用意(1個400円~)。「たげめびあー」は、津軽弁で「とてもおいしいビール」の意味。
企画を担当した一関早希さん。「にんにくをもっと身近に感じてもらいたいです」
「みちのく祭りや」のオリジナルショー。ショーの最後には観客もステージに上がり、祭りの気分を味わえる。
本州最北の青森において、短い夏は特別なもの。
「みちのく祭りや」では、冬から夏への感情のうねりをひとつの物語にしたオリジナルショーが毎夜開催されている。
会場は、6人のねぶた師による繊細な作品を配して設計され、青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多、八戸三社大祭の山車といった“本物”がステージを彩る。
冬を越えた人々が、春の訪れに心を弾ませ、夏に情熱を燃やす“青森人”の魂を表現するように映像や照明を駆使して演出。
祭りに欠かせないお囃子や太鼓、青森ねぶたを盛り上げる跳人(はねと)はスタッフ自らが演じるという本気度も含め、熱気と臨場感は祭りにも負けないほどだ。
「ほたて釣り」「りんごジュースが出る蛇口」など、青森の魅力を『青森屋』らしく伝える演出は館内の随所に見て取れる。
宿一棟が、まるごと青森。
部屋にこもるなんてもったいない。
余すことなく体験してほしい。
『青森屋』の名物ともいえる「りんごジュースが出る蛇口」と「ほたて釣り」。
「ほたて釣り」
庭園を眺めながら馬車で公園を一周するアクティビティも。
高さが23mある五所川原立佞武多。祭りで披露された作品「かぐや」の一部が今年、『青森屋』に“お嫁入り”した。
客室「あずまし 半露天風呂付」。
「あずまし」の半露天風呂。
露天風呂「浮湯」につながる、ヒバ造りの内湯。
ねぶたの音色を聞きながらととのえる「青森ねぶたサウナ」が登場。
住所■青森県三沢市字古間木山56
電話■050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
IN/15:00 OUT/12:00
料金■1泊2万3000 円~(客室「あずまし」2名1室利用時1名あたり、夕朝食付)
アクセス■青い森鉄道三沢駅より徒歩約15分
JR八戸駅から車で約40分、三沢空港から車で約20分
HP■https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/aomoriya/
「星野リゾート」そのほかの個性的な施設
トマム ザ・タワー(北海道 勇払郡)/奥入瀬渓流ホテル(青森 十和田)/磐梯山温泉ホテル(福島 耶麻郡)/1955 東京ベイ(千葉 浦安)/ホテルブレストンコート(長野 軽井沢)/西表島ホテル(沖縄 竹富町)/嘉助天台(中国 天台山)/サーフジャック ハワイ(ホノルル ワイキキ)