Kappo2020年7月号掲載
福島市・土湯温泉の入り口、静かな渓谷に立つ隠れ宿『土湯別邸 里の湯』が、およそ3ヵ月間の改装期間を経てリニューアルオープンしました。
エントランスの竪格子扉が開くと、その先に広がるのは洗練された和空間。間接照明が穏やかに灯る館内は廊下や階段などがすべて畳敷きに変更され、裸足や備え付けの足袋ソックスを履いて歩けば、畳を踏みしめる心地よい感覚がくつろぎを深めてくれます。
チェックインは、従来通りに客室で行われますが、宿泊客を迎えるラウンジは大きく様変わりしました。木の温もり漂うフローリングにゆったりとソファを配し、両側の大開口から差し込む光と四季折々の風景が開放感を与えています。コーヒーやお茶などのドリンクサービスもあり、湯上がりにここで休憩したり読書に耽ったり、思い思いの時間を楽しむことができます。
樹木の名を冠した客室は本館8室、離れ1室。そのうち4室にベッドルームを新設し、現代の生活スタイルにマッチした睡眠環境を整えました。布団の上げ下げがないので、チェックイン後はいつでも好きな時に横になることができ、シモンズ社製のベッドが快適な寝心地を約束してくれます。
宿の名物は、緑に囲まれた渓流沿いに二つの浴槽がある露天風呂「深碧」と内湯の古代檜風呂「櫨染」、半露天風呂併設の古代檜風呂「青藍」。これら3つの風呂は全て貸切で利用でき、湯めぐりを楽しむのも一興。一方、客室の檜風呂にも温泉が引かれており、2名までなら朝夕ともに部屋食となるため、部屋だけで過ごすことも可能です。
リニューアルに際し、アメニティも一新されました。タオルは今治タオルの「O・H・T」、スキンケア用品はナチュラルスキンケアブランド「THANN」を採用するなど、肌に直接触れるアイテムこそ上質なものを用意しました。
爽やかな風が気持ち良いこれからの季節、敷地内の遊歩道を散策し、自然との一体感を味わうのもおすすめです。旅の目的地はここ、里の湯。静寂の森に抱かれた隠れ宿で、唯一無二のひとときをお過ごしください。