PHOTO_齋藤太一
東日本大震災の発生から20日後の2011年3月31日、奈良県大和郡山市にある『薬園寺』の住職・北野宥範さんは、救援物資を携えて宮城県にいる教え子のものを訪れました。犠牲者の三七日法要を行うと、その後、大きな被害を受けた東松島市の宮戸島で支援を開始。月一回のペースで奈良から宮戸島に向かい、そこから交流が始まったといいます。「真言宗には、世のため人のためという考えがあります。それは、生きている人が幸せで平穏に暮らすために祈ること。亡くなった方を供養し、生きている方を励ますため、実際にその場を訪れることが大切なのです」。北野さんは、宮戸島への支援と同時に、南相馬市から気仙沼市まで沿岸部の避難所や遺体安置所を訪問。また、大和郡山市の名産である金魚で子どもたちを元気づけようと、宮戸島で金魚すくい大会を行い、優勝者を同市の全国大会に招待するなど、物心両面で被災者を応援してきました。
被災地支援がきっかけとなり、『蓮臺寺』の住職となったのは8年前。『薬園寺』での務めもあり、また大阿闍梨として各地を飛び回る中で、毎月11日は月命日として東日本大震災の犠牲者を供養するほか、今でも東松島市に足を運ぶ。「今、被災地は物資不足ではありませんが、〝忘れない〞支援と、生きている方が楽しく前を向けるよう祈ることが大切だと考えています」。
今年3月11日には、『蓮臺寺』にある室内霊廟の納骨壇を開眼し、東日本大震災の遺族から受け入れた遺品や写真を安置して供養します。遺品はすでに受け入れており、檀家でなくても可能。被災地・宮城県にある寺として、今後も人々に寄り添い続けることでしょう。
先祖に手を合わせることで、故人の冥福を祈り、遺族の心のよりどころにもなる墓。『蓮臺寺』では、現代の社会事情に合わせた「室内霊廟」を備えています。「室内霊廟」とは、近年需要が高まっている屋内墓所。雨や雪、暑さといった天候・気候に左右されることなく、常に快適な環境で墓参りができます。草取りや掃除など維持管理の手間がかからない点もメリットの一つ。また、永代供養がほとんどのため、墓を守る後継者の心配も要らない。一般的には、墓を建てるよりも費用が安く済む場合が多く、土地不足の都市部では特に人気だといいます。
納骨堂のタイプはさまざまですが、『蓮臺寺』では仏壇型の納骨壇に遺骨を安置。仏壇は上下に分かれており、扉を開くと上段は位牌などを置く仏壇、下段は納骨スペースになっており、納骨壇は漆塗りまたは仙台箪笥仕様から選べます。毎朝夕と年4回の供養を行い、33回忌までは個別の仏壇に納骨する永代供養で、宗旨・宗派を問わず、無宗教でも申し込みが可能です。
また、『蓮臺寺』には敷地内にペットのための納骨スペースも併設されており、大切な家族の一員として供養してくれます。
お寺の4階には、四国八十八ケ所霊場の本尊と各境内の砂が並ぶ、「お砂踏み」ができる。各札所の砂を踏み、手を合わせることで、お遍路と同じ功徳が得られるとされます。
終活で避けては通れない墓の問題。室内霊廟を選択肢の一つに加えてはどうでしょうか。
室内霊廟の詳細は、蓮臺寺HPをご覧ください。