PHOTO_菊地淳智
TEXT_編集部
「歩く旅」を楽しむためのロングディスタンストレイル「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村をつないでいる。土地の歴史や文化に触れながら、沿岸部の“今”を肌で感じることができる。
多様な海岸風景が魅力の気仙沼市。穏やかな入り江に大理石質の岩石が映える「大理石海岸」や津波によって運ばれてきた巨岩を見られる『唐桑半島』、白い砂浜とコバルトブルーの海が美しい『気仙沼大島』と見所満載だ。2019年に『気仙沼大島』と本土とを接続する『気仙沼大島大橋(鶴亀大橋)』が開通。今回は『気仙沼大橋』を渡り、「気仙沼大島周遊」の1日コースを歩いてみよう。
大島の北部にそびえる『亀山』へのトレッキングは外せない。海抜235メートルの山頂から大島を一望できる。『唐桑瀬戸』や『浦の浜』、「リアス海岸」など、美しい風景が目前に広がっている。幻想的な日の出や夕焼け、夜には漁火や星空など、訪れる時間によって異なる表情を見せてくれるのもいい。また『気仙沼大島』は「緑の真珠」と呼ばれている。由縁は、気仙沼市出身の詩人、水上不二が「大島よ永遠に緑の真珠であれ」と讃えたからだ。『大島神社』近くの海が見下ろせる場所に、大島を愛した彼の歌碑がある。島の最南端にある『龍舞崎』は、島を代表する景勝地のひとつ。クロマツ林の中に整備された遊歩道を進むと岬の先端にある『龍舞崎灯台』にたどり着く。潮流や波によって海岸や海底を少しずつ崩し削り取られていく「海食」が作り出した、荒々しく、そして逞しい岩礁を目の当たりにできる。『龍舞崎』と『小田の浜海水浴場』を結ぶ遊歩道が整備されているので、大島の豊かな自然の中を散策するのもいい。
『気仙沼大島大橋』ができてからぐっと距離が縮まった『気仙沼大島』。大島汽船のフェリーが廃止されたのは残念ではあるが、海の上にかかる橋を渡って、心地よい潮風を感じながらゆったりとした時間を過ごせそうだ。詳細は、ぜひ誌面をご覧ください。
★今回の内容は、Kappo9月号(8月5日発売)に掲載中!
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