一日のはじまりに食べる朝ごはん。
慌ただしい日の朝も、ゆったりとした休日の朝も、
お気に入りの調味料や道具、ちょっとした楽しみがあると、
気分よく一日をスタートできる気がしませんか。
朝ごはんを愛するスタッフが、
そんな、朝ごはんを彩るあれこれをご紹介します。
たとえば、ハンドドリップでモコモコとコーヒーを淹れる。すり鉢でごろごろと豆腐をあたる。
皆さんも、食事やお茶の準備をする過程で「この道具を使う時間が好き」というものがあるのではないでしょうか。
私にとって、その中の一つが「辻和金網」の手付焼網。こんがりとパンを焼く光景に憧れて、京都で購入したのが10年近く前のこと。使い始めは、焼き加減を見誤って焦がしてしまうこともありましたが、次第にコツを習得。台所の定位置にちょこんと佇み、さっと取り出してぱっと片付けられる、といった気軽さも気に入っています。
実際に現物を見てもらいたい、でも京都までわざわざ…と思っていたところ、仙台で取り扱っているお店がありました。それがこちらの『庭音tei-ne』さんです。
住宅街にひっそりと佇む小屋の中には、各地の作家が手がけたうつわやガラス製品、会津木綿のポーチなど、手仕事の魅力に満ちたアイテムがずらり。「自分が実際に使ってみて良かったものを」というオーナーの梅原知枝さん。作り手さんとのご縁で出会ったアイテムも多いと言います。そうした気負わぬ姿勢と梅原さんの感性、丁寧に選ばれたアイテムに信頼を寄せて、幅広い世代の方がお店を訪れます。
改めて「辻和金網」の魅力を尋ねると、「手仕事ならではの網目の美しさ。ステンレス製なので衛生的で、手入れもラクですよ。こちらの焼網は、焼き上がりのおいしさはもちろん、直火でじっくり焼くという時間もいいですよね」と梅原さん。
暮らしの道具は、おいしさだけでなく、豊かな時間を紡ぎ出す存在でもあるのです。
そのほか『庭音tei-ne』さんでは、徳島市『aalto coffee』の深煎コーヒー豆や、季節の果物を使った『へルボン舎』のジャムなど、朝ごはんを彩るアイテムを販売しています。
大きな窓からの光、木々の揺らぎなど、季節や時間の移ろいを感じられる空間は、日々の暮らしを思い浮かべるのにもぴったり。この道具やうつわがわが家にやってきたら…そんな幸せな光景を思い浮かべながら、なんとも穏やかな気分に浸れます。
展示会やワークショップなども時折開催しているので、お店のブログやInstagramもチェックしてみてくださいね。
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https://kappo.machico.mu/articles/3451
文・写真_佐藤直美(編集部)