PHOTO_菊地淳智
TEXT_菅原ケンイチ
もともとは木彫家になりたかったという千田玲子さん。気がついたら陶芸家になっていたと話す。現在はオブジェ、食器、花器を制作の柱としている。千田さんのアトリエは泉ヶ岳のふもとにある。そのロケーションに制作意欲がわき、作品にも影響が出るのだそう。
取材で撮影したのは「ホタテ皿」。あえて見せているシワやへこみも、器の表情になっている。皿は薄くて持ちやすいのだが、見た目に反して硬く作られている。これは配合を工夫した土を硬く叩き締め、1260度の高温で焼き締めているため。「この皿の景色は料理を盛り付けることで完成形となります。気取っていないので、ざっくり盛り付けても絵になりますね」と千田さんは話す。