POINT
Kappo11月号の第2特集から注目の記事をピックアップ。ここでしか読めない取材の裏話を交えてお届け!
北上川にもほど近い、石巻市の旧河北町三輪田地区。「三輪田窯」の工房は、二俣小学校三輪田分教場だった建物をリノベーションして使っているという。工房の主、亀山英児さんは土も釉薬も地元で採れた天然素材にこだわっている。堤焼の系譜を継いだ食器がメインで、深みのある美しいブルーの器は、亀山さんの作品の代名詞になっている。
焼き物の器は使われて生きるものだ。生活の中に溶け込み、使い込んでゆくうちに色も風合いも変わってゆく。「自分ができるのは、窯から出した所までです。それをお客さんが使い込んで、やっと完成形になります」。それは何十年という時間の話だ。「自分が窯を開いてからまだ15年しかたっていませんから、お客さんに使い込んでもらっている途中ですね」と亀山さんが笑った。
三輪田窯の特徴である、深く美しいブルー。釉薬の溶け方、濃淡、流れ具合が器の景色となる。
緑に囲まれた旧二俣小学校三輪田分教場。建物の左側が三輪田窯の工房。
窯主の亀山英児さん。身近なものが形になり、焼くことで表情が変わるのが焼き物の魅力と話す。
外に置かれた灰釉の材料。工房の薪ストーブから出た木の灰が原料。灰釉は白になるのだそう。