Kappo 仙台闊歩

LIFE STYLE 2020.07.17

【web連載】朝ごはんの愉しみ 第三回「食卓の風景を、心地よく」

一日のはじまりに食べる朝ごはん。
慌ただしい日の朝も、ゆったりとした休日の朝も、
お気に入りの調味料や道具、ちょっとした楽しみがあると、
気分よく一日をスタートできる気がしませんか。
朝ごはんを愛するスタッフが、
そんな、朝ごはんを彩るあれこれをご紹介します。

器ひとつで、朝いちばんの空気が整う

テーブルの上に、自分好みの光景が広がっているだけで気分がいい。
そのことに気づいたのは、好きな器が揃いはじめたことがきっかけでした。

余裕がある日にお魚や卵を焼く以外は、もっぱら作り置きおかずの朝ごはん。特別手をかけなくとも、気に入った器に盛り付けるだけで、不思議と達成感に満たされ、気持ちがすっと整います。
朝ごはんの定番選手たちの中でも、最も欠かせない一枚が、島根県の出西窯で作られた7寸皿。色合いも質感も使うほどに愛着が増し、棚にしまう暇もないほど一日のはじまりをともに過ごしている存在です。

7寸皿をベースに、沖縄で出会ったやちむん、金継ぎしながら愛用している小皿などを、その時々でプラス

深い色合いが、和食はもちろん、パンにもぴったり

暮らしに寄り添う、風土に根付いた器

こちらの7寸皿に出会ったのが、西公園近くにあるLes VACANCES(レ・ヴァコンス)さん。愛媛の砥部焼、沖縄のやちむんなど、日本各地の陶磁器やガラスなどを取り揃えるお店です。

「その土地の土を使っているものだったり、風土や歴史にもとづいて生み出されたものだったり、各地の暮らしの中で育まれたものを揃えています」とオーナーの山崎 綾さん。たとえば、沖縄のマカイ(お椀・どんぶり)であれば、ソーキそばを食べるのにちょうど良い形になっているなど、伝統や文化、地域の暮らしに根付いたつくりであることが伺えます。

沖縄のやちむん。伝統的な中に、モダンなテイストのものも

表情豊かなガラスも充実

まずは「これが好き」という感覚を大切に

伝統的な形のもののみならず、マグカップやスープカップなど、現代のライフスタイルに応じて誕生したものもラインナップ。1950年代、日本の民藝運動を推進した陶芸家、バーナード・リーチの来窯によって、小鹿田焼きにハンドル(取っ手)が付いてリビングにも似合う装いへと変化を遂げたエピソードは、民藝に詳しい方にはよく知られるところ。そうしたかつての変遷から現在進行中の取り組みまで、職人たちの技術と新たな感覚の融合といった制作背景に触れられるのも、Les VACANCESさんでの楽しみの一つです。

それぞれの背景にも興味が高まるところですが、うんちくで選ぶよりも、まずは目で見て触れて、ピンときたものを選んでもらうのがいちばん、と山崎さん。「これが好き、と感じたものを安心してお選び頂けるように、つくりのきちんとした商品ばかりを揃えています」と、心強い言葉を頂きました。

ディスプレイにも、山崎さんのセンスが光ります

くらしに、好きな風景が増えていく

店内のディスプレイや山崎さんとの会話を通して、何を盛り付けようかな、部屋がどんな表情に変わるかな、と幸せな妄想は膨らむばかり。

器が育まれた土地の風景に想いをめぐらせ、それを迎え入れた自分の生活風景に想いをめぐらせる。
そんなイマジネーション広がる旅へとお出かけください。

7月下旬からは、太田潤さん(福岡県)や星耕硝子さん(秋田県)の手吹き硝子がさらに充実予定


文・写真
_佐藤直美(編集部)

Les VACANCES(レ・ヴァコンス)

住所
宮城県仙台市青葉区立町9-14
電話
022-702-3813
時間
12:00~18:00
休日
水~金曜
WEB
http://www.les-vacances.info
備考
※新型コロナウィルス拡散防止対策のための特別営業時間となっております。
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