仙台藩祖・伊達政宗公が5年の歳月をかけて慶長14(1609)年に完成させた伊達家の菩提寺。桃山美術を現在に伝える貴重な建築物であることから、本堂・庫裡及び廊下が国宝に指定されている。2018年には平成の大修理を終え、創建当初の姿が現在に甦った。本堂内部に足を踏み入れるとまず目に飛び込むのが金箔を惜しげもなく使った障壁画。穏やかにたたずむ孔雀が描かれた「室中(孔雀の間)」は、仙台藩の絵師・狩野左京(佐久間修理)によるもの。奥の仏間には、御本尊の聖観世音菩薩、本尊左手に政宗公、右手に忠宗公の御位牌が安置されている。また、室中の西側に位置する3部屋を描いたのは、狩野派と共に桃山美術の絵画を担った長谷川等伯の高弟・長谷川等胤。堂内の部屋はそれぞれ使用目的にふさわしいテーマに沿って描かれた障壁画や彫刻で装飾されており、政宗公の美へのこだわりがうかがえる。
東北が誇る奥州随一の禅寺、一度は訪れたい。