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東北の星野リゾートで土地を感じる旅|第1回 界 蔵王

TEXT=編集部

山に抱かれ、湯に整う。蔵王に生まれる、新しい「界」

東北各地にある星野リゾートの宿をめぐりながら、その土地に息づく文化や風土、人の営みに触れる連載「土地を感じる、東北を感じる。
地域とつながる星野リゾート」。
第1回は、2026年10月15日に山形県・蔵王温泉に開業する『界 蔵王』を紹介します。

 

「界」が大切にしてきたものを、より明確に体感する宿

温泉につかり、その土地の文化に触れる。
全国に展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」が大切にしてきたのは、土地ごとの温泉文化を、今のスタイルで楽しませてくれる宿のあり方です。

2026年10月15日、山形県・蔵王温泉に『界 蔵王』が開業します。
コンセプトは「御釜で整う、温泉スパイラル」。
蔵王の象徴である御釜、古くから山岳信仰の場として人々を迎えてきた山、そして日本屈指の強酸性を誇る温泉。
この土地にある山と湯の力を、“ウェルネス”をキーワードに形にした施設です。

支配人の植田紗優実さんは、「心身を整えるのはもちろん、自分がよりよく生きるための体験がウェルネスであると考えています。
『界 蔵王』での滞在ではその体験を持ち帰り、自分の生活や人生が少しでも豊かになるようなものを得ていただきたい」と話します。

湯につかり、土地の文化に触れることで、心と体をほどいていく。
「ウェルネス」という言葉を使わずとも、これまで「界」が大切にしてきた温泉旅館のあり方、各宿の根底を流れる一筋の水脈のような概念。
それを『界 蔵王』では、より明確に体現しています。

ウェルネスエリアのラウンジ

山を登るように、心身を整える「温泉スパイラル」

ウェルネスエリアの水風呂のイメージ

ウェルネスエリア、内気浴スペースイメージ

ウェルネスエリア、サウナイメージ

大浴場、サウナ、水風呂、内気浴スペース、ラウンジ、屋上のジェットスパ。
館内を螺旋状に巡りながら上へと向かう「温泉スパイラル」は、蔵王の山岳信仰から着想したものです。

「山形とウェルネスは、一見遠く見えるかもしれませんが、実はもともとこの地域に根づいていたものなんじゃないかと思っています」

そう語る植田さん自身、山形に暮らし始めて間もない頃に月山に登ったそう。

「初めての登山で、山に登る方の多さにも驚きました。山に向き合い、一歩ずつ登ることで自分と向き合う。山頂から見た景色の感動もありますし、下山後の自分の感覚も登る前と少し変化している。“ああ、こうやって山岳信仰は生まれたのか”と肌で感じるよい機会でした」

山が身近にあり、強酸性の温泉が湧く蔵王。地元の人の中には、怪我をしたときに入りに行くなど、湯治のように温泉と付き合っている人もいるといいます。

現代人の暮らしに合わせた温泉の楽しみ方を提案してきた「界」にとって、蔵王は、すでに“整える”という感覚が息づく土地でもありました。

修験道、山岳信仰、紅花。館内に重なる山形の記憶

くれないモダンの間

館内の設えには、修験道や山岳信仰のほか、紅花の文化も盛り込まれています。
湯を巡り、山を登るように上へと進み、やがて御釜を思わせるルーフトップテラスへ。宿の中を歩くことそのものが、心身を整える道筋になる趣向です。

全49室の客室は、ご当地部屋「くれないモダンの間」。
山形を象徴する紅花をテーマカラーに、紅花和紙、山形緞通、天童木工の家具など、ものづくり大国・山形の手仕事を取り入れています。

植田さんは、「地元の人が訪れたときでも『こんなものがあったんだ』『こんな使い方があるんだ』と、新しい気づきがある部屋にしたいです」と話します。

山形の恵みを、体をいたわる一膳に

宝楽盛りの一例

料理にも、『界 蔵王』らしい整え方があります。
夕食は、紅花商人の美意識に着想を得た「べにばな山彩会席」。
かつて紅花交易で栄えた山形の華やかな文化を、もてなしの一膳に映しています。

会席は、朱塗りの器に盛られた「宝楽盛り」から始まります。
精進料理から着想を得ており、山形の伝統野菜やもどき料理、旬の食材をさまざまな味付けで仕立てた料理が、少しずつ色とりどりの小皿に並びます。
するりと喉を通るようなやさしい風合いの酢の物や、ダシの風味が豊かな品々は、湯上がりの体にも心地よく感じられそうです。

メインは、山形を代表する山の名を冠した「月山鍋」。
セリや山菜、山伏茸、花弁茸などのキノコに、山に暮らす鴨を合わせ、川に生きるモクズガニの風味が香るダシで味わう一品です。
山の恵みの滋味深さがありながら、鴨の風味をまとったキノコの旨みは力強く、体の内側から力が湧いてくるかのよう。

〆は山形名物「ひっぱりうどん」をイメージしたうどん。
食後に重たさが残らないよう、サバ缶はサバ節に、納豆は発酵食品の「あけがらし」に変え、オリジナルの味わいに仕立てています。

デザートは「紅花と洋ナシのパンナコッタ」。
紅花の可憐な色合いとジューシーな洋ナシで、最後まで山形らしさを感じさせてくれます。

料理長の長内さんは、「献立を考えるにも、なにをメインに据えるか悩んだくらい、山形はほんとうに食材が豊富です。普段からキノコや山菜を召し上がっている地元の方でも新しい気づきがあるような料理を作っていきたい」と話してくれました。

王の風景とともに、整う感覚が残る

湯に浸かり、山を登るように館内を巡り、山形の手仕事に触れ、土地の恵みを味わう。
蔵王に古くからあった山と湯の力を、今の時代の温泉旅館として体感できること。
『界 蔵王』には、これまで「界」が各地で考え、提案し、実践してきたものが詰まっています。

宿を後にする頃には、心身ともに整う感覚が、蔵王の風景とともに記憶に残るはずです。

〈界とは〉
星野リゾートが全国に23施設を展開する温泉旅館ブランド。
「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。
また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴です。

住所/山形県山形市蔵王温泉903-2
電話/050-3134-8092(界予約センター)
客室数/49室
料金/1泊3万1000円〜
※2
名1室利用時1名あたり、夕朝食付
開業日/2026年10月15日
URL
/https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaizao/

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