TEXT=編集部

東北各地にある星野リゾートの宿をめぐりながら、その土地に息づく文化や風土、人の営みに触れる連載「土地を感じる、東北を感じる。地域とつながる星野リゾート」。
第2回は、宮城県仙台市の秋保温泉にある『界 秋保』を紹介します。
2024年に開業した『界 秋保』がある秋保温泉は、名取川の上流で古くから宮城の人々に親しまれてきた温泉街です。
家族で訪れ、友人と泊まり、休日にふらりと足を延ばす。
仙台市街地から思い立ったらすぐに行ける距離にありながら、緑豊かなこの場所は、仙台市民にとって日常のすぐそばにある旅先でもあります。
『界 秋保』が見つめるのは、地元の人にとって親しみがあるからこそ見過ごしてしまう地域の魅力。
よく知っているはずの秋保を、宿で過ごす時間を通してもう一度楽しませてくれる場所です。
せせらきラウンジから望む名取川。
今年夏に期間限定で提供された「さいちのおはぎ氷」。
象徴的なのが、この夏に展開していた地元スーパー「さいち」との取り組みです。
秋保を代表する名物「さいちのおはぎ」をそのまま販売するのではなく、要であるあんこを使った「さいちのおはぎ氷」として提供しました。
おはぎに使われているゴマやきなこをトッピングして味わう、秋保らしい一品です。
そこには、宿での体験をきっかけに、実際に「さいち」へ足を運び、秋保温泉郷を歩いてほしいという思いが込められています。
地元の名物を宿の中で完結させるのではなく、秋保の街へ出かけるきっかけにする。
そんな距離感にも、『界 秋保』らしい地域との向き合い方が表れています。
秋の「伊達な茶会アフタヌーンティー」。
「宮城峡」をはじめ、ニッカウヰスキーのプロダクトでつくるオリジナルカクテル。
名取川を望む「せせらきラウンジ」では、9月から11月にかけて、ニッカウヰスキーのシングルモルト「宮城峡」に和紅茶の香りを重ねたオリジナルカクテルが登場します。
若い世代にもウイスキーの魅力を届けたいというニッカウヰスキーの思いを受け、『界 秋保』は「伊達な茶会アフタヌーンティー」やラウンジでくつろぐひとときに寄り添う一杯としてアレンジしました。
秋保という場所には、仙台近郊の温泉地としての親しみやすさがあります。
その一方で、名取川の清流、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所、地元の名物など、少し足を止めて味わいたいものも多くあります。
『界 秋保』は、それらを今の滞在に合う形でつなぎ、宿で過ごす時間の中に取り入れています。
こうした企画は、地域の名を借りるだけでは生まれません。
スタッフが地域の人たちと言葉を交わし、少しずつ関係を築いていく過程があってこそ、地元にも受け入れられる企画が生まれていきます。
リリースされるまでに、地域を知るスタッフ、県外から来たスタッフ、それぞれの視点が交わり、少しずつ磨かれていく。
当たり前に見えていたものを、旅人はもちろん、地元の人にどう感じてもらうか。その試行錯誤こそが、『界 秋保』の地域との向き合い方です。
ご当地部屋「紺碧の間」。
大浴場。露天風呂もある。
館内にも、秋保らしさが息づいています。ご当地部屋「紺碧の間」は、秋保温泉の渓谷や磊々峡から着想を得た客室。
窓の向こうに広がる秋保の緑を借景に、移りゆく時間を感じながら過ごせます。
自家源泉かけ流しの大浴場には、「あつ湯」と、ゆっくりつかれる「ぬる湯」の2つの浴槽があります。
露天風呂では、清流のせせらぎに耳を傾けながら湯あみを楽しめます。
『界 秋保』を象徴する「せせらきラウンジ」のテラスには足湯もあり、名取川の清流を眺めながら、秋保の時間に身をゆだねることができます。
ずんだづくり体験。
2026年10月1日からは、最大8名で宿泊できる特別室「三日月の間」で、親子三世代に向けたプランも始まります。
客室でのずんだづくり体験や、特別なご当地楽などを通して、親子水入らずの時間を楽しめる内容です。
秋保は、家族で訪れた記憶を持つ人も多い温泉地。
その場所で、今の家族のかたちに合わせて集まり、同じ時間を過ごす。そんな提案もまた、地元の人に親しまれてきた秋保らしい過ごし方といえそうです。
“秋保の王道”を、地域への敬意と関係性をもって、新しい視点で宿のアクティビティへと編みなおす。『界 秋保』で過ごす時間には、よく知っているはずの秋保を、もう一度楽しむためのきっかけがあります。
宿を訪れたあと、名取川沿いを歩いたり、「さいち」に立ち寄ったり、秋保の街を少しだけ深く味わいたくなる。そんな広がりまで含めて、『界 秋保』の魅力なのだと思います。
〈界とは〉
星野リゾートが全国に23施設を展開する温泉旅館ブランド。
「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。
また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴です。
住所/宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1
電話/050-3134-8092(界予約センター)
チェックイン/14:30
チェックアウト/11:00
料金/1泊3万1000円〜
※2名1室利用時1名あたり、夕朝食付
交通/JR仙台駅より車で約30分
URL/https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiakiu/