PHOTO_菊地淳智
TEXT_編集部
2019年6月、青森県八戸市から、福島県相馬市までの4県28市町村をつなぐ「みちのく潮風トレイル」が全線開通した。その土地の歴史や文化に触れられるロングディスタンストレイル。昔の街道や生活道路、歴史的な道を通りながら、沿岸部の“今”を感じられるのが醍醐味だ。トレイルコースの始点であり、千年以上の歴史を持つ「相馬野馬追」の舞台になっている相馬市から北上。「新地町コース」は、「洗えば洗うほど良くなる、久留米絣(くるめがすり)のような家を作ろう」と、新地町出身の建築家・遠藤 新が保存運動により移築した『くるめがすりの家』を北の起点としている。ルートには、伊達政宗が新地攻めの際に持っていた、イチョウのムチを逆さに刺したものが根付いたという伝説から「さかさいちょう」として知られている「白幡のいちょう」がある。
阿武隈山地北端部の稜線歩きをメインとする「亘理町〜山元町ルート」を越えると、福島・宮城の両県を流れる阿武隈川と名取川がつくった広大な平野部を歩く「名取市〜岩沼市ルート」に入る。震災の記憶と、自然の豊かさに触れながら歩けるこのルートは、これから「みちのく潮風トレイル」をスタートする人にもおすすめだ。新地町ではトレッキングやハイキングで大自然を感じ、名取市沿岸部では、朝市や近隣の商業施設で、新鮮な海の幸を味わってみる。その時々の気持ちや目的に沿って、いろんな歩き方や巡り方ができるのも、トレイルの魅力だ。詳細は、ぜひ誌面をご覧ください。
■ Kappo 2020年5月号 vol.105 ■ ※最新号
巻頭特集は「新 まち歩きの教科書」と題し、新しい“まち”の魅力を探しに出かけてみました。第2特集として「第3回 仙台短編文学賞」の大賞&プレスアート賞の受賞作品を全編掲載。ぜひ本誌をご覧ください。
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