写真=齋藤太一
文=編集部
インターネットと生活が切り離せなくなってきた昨今。常に最新情報に触れ、SNSで情報交換をし、知らず識らずのうちに疲労が溜まっているという。その反動か、ヨガ、瞑想、マインドフルネスといった精神的な安らぎを求める習慣に注目が集まっている。
臨済宗妙心寺派である瑞巌寺・千坂成也執事長は「“坐禅”はそれらの先駆けだったはずなのに、企業研修や修学旅行で強制的に坐禅を組ませていた時期があったので、とても苦しいというイメージを持たれている。もっと幅広く親しんでもらいたい」と、今年8月に、初心者向けの「坐禅体験会」を開いた。これまで、「坐禅会」は開いてきたが、玄人向けと受け取られてしまう節があるため、より親しみやすい“体験会”と銘打った。
開催は閉門後、参拝者がいなくなってから。国宝である本堂の広縁で、庭を向いて坐禅を組む。説明を聞き、15分組み、休憩を挟んで最後に10分。しんと静まり返った本堂で、自分とじっくりと向き合う、1時間弱の体験会だ。本堂を普通に観光すれば、20~30分で見終わってしまうが、国宝に滞在できるというのもまた貴重な機会だろう。
10月から秋の坐禅体験会が始まり、毎週木曜の写経、写仏も再開した。「自分本来のイメージを取り戻しすための坐禅。情報過多で頭がいっぱいになった時に、リセットするのにもいいでしょう」と千坂さん。今までは見て回るだけで終わってしまっていた人も、その根幹とも言える坐禅で、禅の文化を体感してみてはいかがだろうか。
住■宮城郡松島町松島字町内91
電話■022-354-2023
拝観時間■8:00~16:30(11月~16:00)
拝観料■大人700円、中学生、小学生400円(坐禅体験会は拝観料のみ、写経会等は別途料金)
坐禅体験会日時■10月17日(土)~11月21日(土)の毎週土曜。閉門10分前集合
定員■各回20名
参加方法■瑞巌寺公式SNSのDMでの申し込みまたは電話予約。空きがある場合は当日参加可
巻頭特集では、宮城、福島、岩手、山形のワイナリー、蒸溜所、ブルワリー、酒蔵を取材。その土地に根ざし、その土地の文化となり得る場所を紹介しています。秋の夜長に、ぜひKappoを御覧くださいね。
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