アメリカ中西部・ミネソタ州にあるミネアポリス美術館は、世界各地から集めた9万点を超える作品を所蔵する欧米屈指の総合美術館。そのうち約9500点の日本美術コレクションから選りすぐった、中世から近代に至る日本絵画の変遷をたどる展覧会が開催される。
水墨画、狩野派、琳派、南画、奇想派、浮世絵といった日本絵画史の主要ジャンルを全8章で紹介する本展は、中国・唐時代の影響を受けた「水墨画」から始まる。その代表的作家であり、福島県ゆかりの画僧・雪村周継の『花鳥図屛風』は、右隻には早春で夏の夜で“静”を、左隻には早春で“動”が表現された作品。対照的な事象を描くユニークな構図、白鷺や鯉に表現される躍動的な筆遣いなど、独創的な特徴が見て取れる。
第5章に登場するのは、美人画や役者絵に代表される「浮世絵」。江戸時代に花開き、全盛期を迎える19世紀頃には、名だたる絵師たちが活躍した。同館が誇る浮世絵コレクションは、所蔵する日本美術作品の中でも特に質の良さが高く評価され、その数は2500点を超える。本展では葛飾北斎『冨嶽三十六景 凱風快晴』や東洲斎写楽『市川鰕蔵の竹村定之進』など、選りすぐりの優品を一挙に公開。浮世絵の初期から晩期までを概観できるだろう。
さらに谷文晁や、浦上春琴、佐竹永海など、福島県内ゆかりの画家たちの作品や、初の里帰り作品も集まる貴重な機会。時空を超えて一堂に会する日本絵画の絵師たちの競演を楽しもう。
【展覧会概要】
7月8日(木)~9月5日(日)9:30~17:00(最終入館~16:30)
※月曜、8月10日(火)休館(8月9日は開館)
会場■福島県立美術館(住所■福島県福島市森合字西養山1番地)
料金■一般1500円、学生1100円、小・中・高校生650円
問い合わせ■福島県立美術館 電■024・531・5511
HP■https://art-museum.fcs.ed.jp/