宮城県産の食材を使用し、生産者と共に宮城の食文化を発展させることをテーマに開催されてきた賞味会。
11月21日に『仙台国際ホテル』で開催された第6回は、コロナ禍を経て約4年ぶりの開催というだけあり、総勢230名以上が参加する盛大なものとなりました。
調理人をはじめ、生産者、食材や飲料に係る食のプロたちによる賞味会の様子をお届けします。
今回の賞味会の目玉は、各分野で卓越した技能を持つ人に贈られる「現代の名工」の称号を持つ5人のシェフによる料理展示。
料理の技法はもちろん、まるでアートのような美しい盛り付けにも注目。
さっそく展示の一部を紹介します。
この日は、鮮やかな朱色の和傘を器に見立てた、お正月料理が中心に。
大胆かつ繊細な技術を垣間見る料理の数々が並びました。
宮城の食材にこだわる会のテーマのもとで、地元食材をふんだんに取り入れた内容となりました。
2022年に現代の名工の選出された髙橋さん。
日本の四季を表現した料理は、繊細な仕事がうかがえる逸品が並びました。
はらこ飯を寿司風に仕立てるアイデアなど、常に高みを目指し技術を磨く高橋さんならではのことでしょう。
宮城県調理師協会会長として宮城県の食文化をけん引してきた佐藤さん。
この日一番の大きな料理展示は、遊び心が詰まった内容に。
メインの伊勢海老は大根をあしらい、辰年である新たな年に向けて、勢いよく天に上る竜をイメージしたそう。
会場となった仙台国際ホテル『翠林』で腕を振るう羽田さん。料理のプロが参加する賞味会とあって、中国料理ならではの食材をセレクト。
じっくり時間をかけて煮込んだ熊の手料理「紅焼熊掌子」や、スズキをまるまる一匹油で揚げ衣をつけた「松栗鼠鱸魚」など、普段お目にかかることのない料理が並ぶ、貴重な機会となりました。
アミューズには田尻産生ハムや宮城県産野菜を使用したスープを。
メインの肉料理は宮城を代表する仙台牛などが並んだフランス料理のコースを展示。
随所に宮城県産の食材が盛り込まれた特別なメニューが並びました。
現代の名工5名による料理展示のあとは、いよいよ賞味会のスタート。
冒頭、会を代表してあいさつをした佐藤会長は、コロナという厳しい時期を乗り越えあらためて賞味会を開催できた喜びと共に「宮城県は全国でも料理人のレベルが高いと言われている。今年行われた全国日本料理コンクールでは宮城県が全国最多の4名の大臣賞を受賞するなど、料理人のレベルが認められてきている」と挨拶をし、今回の賞味会など日々の活動を通して、宮城県の食文化の発展への想いを語りました。
今回の賞味会のメインコースを手掛けた『仙台国際ホテル』のフレンチシェフの菅井料料理長も挨拶。
「賞味会に参加するのが食のプロたちとあってプレッシャーだった」とコメントしながらも、菅井シェフらしい繊細な料理の数々が提供され、参加者は舌鼓を打ちました。
宮城県の現代の名工の共演は、展示の内容も含め、宮城の素晴らしい料理人たちの技術を目の当たりにする貴重な機会。
目でも楽しみ、舌でも楽しむ贅沢な時間は、幕を閉じました。