PHOTO_菊地淳智
TEXT_菅原ケンイチ
気仙沼市魚市場からほど近い市街地にある『網元の宿 磯村』。1970年創業のこの宿は、かつて「和風ホテル 磯村」として営業していたが、2011年の東日本大震災で被災した。それから7年を経た2018年の8月、宿は新しく生まれ変わってオープンした。
ここは料理宿である。女将の実家が唐桑の旧家の網元で水産会社を営んでおり、そこからも魚を仕入れている。名物は「モウカの星」。これはモウカザメ(ネズミザメ)の心臓であり、レバーに似ているが、くせがなく柔らかな食感が特徴だ。さらに珍しいのが「マンボウの刺身」。見た目はイカの刺身に似ており、やや水っぽくシコシコした歯ごたえの珍味である。メニューは入荷した魚によるので、その日によって変わる。他にも「アワビの踊り焼き」や「マグロの子」など、気仙沼の名物がお膳に並ぶ。
■ Kappo 2020年1月号 vol.103 ■
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