写真=齋藤太一、かとうまさゆき TEXT=編集部
Kappo3月号の巻頭特集「三陸へ」から、編集部が旅して見つけた、気仙沼市の食堂をピックアップ。表紙の撮影でもおじゃました、絶品の牡蠣づくしの料理が食べられます。近くに行く用事があれば、ぜひ予約をして立ち寄ってみてください。
大島と唐桑半島の間、気仙沼湾の中にある大島瀬戸。風光明媚なこの場所は、室根山のミネラルをたっぷりと含んだ大川が流れ込み、自然の良港が多い気仙沼の中でも特にいい海域として知られている。栄養豊富な大島瀬戸で牡蠣の養殖をスタートしたのは昭和の初め。最初のメンバーの中には「ヤマヨ水産」の初代も名を連ねている。脈々と受け継がれて90年余り。現在は4代目の小松武さんが牡蠣の養殖を続けている。「ヤマヨ水産」の牡蠣はぷっくりとした大ぶりな身で味わいが濃く、食材をもてなせる、そんなふうに考えていました」。〝牡蠣料理を食べたい〞という声も多かったが、さて。そう思っていた矢先、料理人として全国で腕を振るっていた、佐藤正則さんと出会う。
「佐藤さんと出会わなければ、食堂にはならなかったかもしれません」。人と海、人と牡蠣、人と人。縁がつないだ食堂がハブとなり、さらなる展開が期待できそうだ。