新緑から深緑へ移り、東北全体がいきいきとしてくる季節。おでかけ機運が高まっている方も多いかと思います。東北ならではのもてなしや食、文化を感じられる宿をピックアップした7月号から、青森県十和田市の『蔦温泉旅館』を紹介します。
離れ「月寛」のリビング。大きくとられた窓に向かってソファが配置され、窓の外には広々としたデッキテラスもある。
本館の「久安の湯」。足元から湧き出る 秘湯を目的に訪れる人も多い。
1.1~1.3気圧まで3段階で調節できる「高気 圧酸素ルーム」。カプセルではなくボックス タイプなので、内部で様々な姿勢で寛げる。
離れ「瓢箪」のリビングと和室。部屋の冷蔵庫では青森り んごジュースやアップルサイダーを無料で提供するほか、 奥入瀬地ビールなども有料で用意。
離れ「薬鶴」は「瓢箪」と同じ間取り。南部鉄瓶や美濃和 紙の便せん、津軽塗のボールペンなど、調度品も部屋のコ ンセプトに合わせて選定。
離れは3室とも蔦温泉の源泉を引いた半露天風呂を設置。
最高級の会席料理が並ぶ離れの夕食。「倉石牛ヒレ ステーキ」や「十三湖産大和蜆と鮑の田酒蒸し」 など贅沢なメニューがずらり。
「薬鶴」のウッドデッキ。四季折々の 蔦の原風景を楽しむことができる。
紅葉の景勝地としても人気の蔦沼への 遊歩道入口付近に、3棟の離れを新設。
大正7(1918)年築の和風木造2階建ての本館。歴史を感じさせる重厚さで堂々と した佇まい。明治の文豪・大町桂月をはじめ、多くの著名人に愛された。
平安時代の文献にも書かれているほどの古い歴史を持つ、青森県・十和田市にある一軒宿『蔦温泉旅館』。
自慢は、湯船につかると足元から噴き出す「源泉湧き流し」の自墳泉で、長年にわたり多くのリピーターに支持されてきた。
そんな歴史ある宿に2022年10月、「瓢箪」「薬鶴」「月寛」と名付けられた最高級の離れが3棟完成した。
モダンなデザインの和室とゆったり寛げるリビング、ベッドルームに加えて、デイベッドやテーブルセットを設置したデッキテラスを完備。
風呂は源泉をそのまま体験できる半露天で、自由気ままに贅沢な空間と時間を堪能できる。
この離れの特徴は、宿が提唱する「ウェルネスツーリズム」を体験できること。
もともと湯治場として毎年訪れる客が多かった蔦温泉だが、より医学的根拠に基づいた形で、身体の根幹部分から癒す最新の設備を用意。
「瓢箪」と「薬鶴」の2つには「高気圧酸素ルーム」。
気圧を調整しながら酸素を多く取り込むことで、疲労回復や睡眠不足解消などに効果が期待できる。
また「月寛」には「メディテーションルーム」を設置。
プロジェクターと高音質音響設備で動画を見ながらのヨガ体験や、映画鑑賞も楽しめる。
宿を囲む大自然のリラックス効果とも相まって、ロングステイを選択する客も増えているという。
明治の文人・大町桂月をはじめ、様々な分野の著名人に愛されてきた蔦温泉。
新たな設えも楽しみながらも、昔からの風情を残す、古からの秘湯をぜひ訪れてほしい。